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#004 信越本線 豊野駅 構内側線

北陸新幹線の金沢延伸開業により、現在ではしなの鉄道 北しなの線の駅となった豊野 (とよの) 駅構内に存在する車止めをご紹介する。
(以下、現 北しなの線を撮影当時を基準として “信越本線” と記載。)

信越本線と飯山線との分岐駅である豊野駅構内には、しなの鉄道への転換以前より複数の側線が存在しており、写真の側線は信越本線の下り本線へ、直江津方へ向かう形で接続されている。

同駅にはかつて複数の留置線や上屋を備えた貨物ホームに加え、小規模ながら転車台も備わっていたようで、個人ブログ「懐かしい駅の風景~線路配線図とともに」にて f54560zg 氏が記されている投稿 (豊野 1978/12/27) に掲載された、氏が1978当時に記録された構内配線と比較したところ、この側線は本線やプラットホームとの位置関係からして当時の下り1番線ということになるようだ。
記事に掲載されている貨物扱い現役当時の写真をつぶさに観察した上で、黄色ペンキの塗り分けパターンや年月を経たくたびれ具合の差分を勘案するに、上掲写真の逆U字形をした第3種車止めはまさに当時のままのものではないかと思われる。

傍には用具庫らしきもの、本線との間には区分用の “センターポール” 、本線との接続部分の分岐器付近には沿線電話機が備わっている点から、この側線は恐らく専ら保線作業のために供用されているのだろう。

月日が流れ周囲の景色が大きく変わろうとも、朽ちるまで勤めを全うせんとするその姿に “道具の本分” のようなものを感じた。

#003 長良川鉄道 越美南線 富加駅 貨物側線跡

3箇所目は国鉄転換線からのご紹介。

今回ご紹介する車止めは、長良川鉄道 越美南線で運用されていたレールバス、ナガラ1形の最後の稼働車である10号車が引退するとのことで、同車の最後の姿を記録しようと駆けつけた際に撮影したものだ。
枯葉や枯れ枝に残雪で見分けづらいが、レール終端部は僅かにバラスト積みのようになっており、分類上は第1種車止めということになろうか。

富加 (とみか) 駅は国鉄時代には「加茂野駅」と称し、現駅名は長良川鉄道への転換時に併せて改称されたもの。
加茂野駅として開業した1923年から1963年に中止されるまでの40年間は貨物取扱も行っており (正式な扱い廃止は1974年) 、この側線は当時、車扱貨物の貨車を引き込むためのものであったと考えられる。

この側線は駅構内上り線を介して美濃太田方の本線へと接続する形をとっており、写真右手側に写っている緑色の屋根をした駅本屋へ接するような配線となっている。配線や貨物側線としてみた際のホーム有効長から、どちらかと言えば積車状態の貨車を上り列車に連結して出発する、発送扱いの方が多かったのだろうか。

貨物扱いを中止し国鉄から転換されるまでに23年。転換から撮影時までは28年と、流れた50余年の歳月の間には植木が増え、電柱が建ち、花壇が作られ…。側線の自体存在と石積み造りの短いプラットホーム、後年にコンクリートで嵩上げされた下りホームとの対比が、静かに当時の面影を伝えている。

出典: 富加駅 – Wikipedia

#002 紀勢本線 切目駅 構内側線

2箇所目の車止めは、和歌山県は切目 (きりめ) 駅の側線から。

2015年は特急「くろしお」として最後の活躍を続ける381系を記録するべく何度か紀伊半島に足を運んだのだが、スポットへ向かう道すがら、下車した切目駅の構内で見かけたのが写真の車止め。

小柄ながらもコンクリートによる制走堤を備えた第4種車止めで、同駅構内で唯一であるこの側線は、下り本線に和歌山駅方へ向かうかたちで接続されている。制走堤正面上部寄りにはネジ穴と思しきものが水平方向に2つ並んでおり、元々備えていたであろう緩衝材 (おそらくは木製) は、ずっと以前に朽ちてしまったのだろうか。
写真には写り込んでいないが画面右手にはコンクリート枕木が積まれており、現地を眺めた限りでは、この側線は従来より保線用資材の積み降ろし設備として使われているもののようだ。

画面奥のやや左手に写っている建物が駅本屋で、駅周辺の住宅との距離感から、当地のこぢんまりとした雰囲気を感じ取っていただけるだろうか。

切目駅は国鉄時代末期に無人化ののちに簡易委託駅となっているものの、古くからの駅舎が現役で使用されている。
駅前広場の植生、駅本屋の待合スペースや出札窓口・駅務室といった駅務設備、別棟として隣接する便所など、”国鉄幹線ローカル駅” の佇まいが残る良い駅だ。

#001 山陽本線 宇部駅 0番のりば

第一回目の投稿で紹介するのがこちらの車止め。

0番のりばは宇部駅を終着/始発駅とする宇部線列車専用のホームとなっており、この車止めは駅本屋側に設置されているもの。
車止めとしてはごくスタンダードな、曲げたレール部材をやぐら状に組み上げた第2種車止めで、特にここではレールに取り付けた別の車止め装置 (名称を失念した…) を併用しているのがわかる。

やぐら部分の背後、元は制走提であったと思しきコンクリート造の部分にはトラ模様の褪せた木材が打ち付けてあり、やぐら部分が後年設置されたものであるかのようにも感じさせる。
併設されている車止標識が最も経年が浅くみえる点からも、時間の経過に応じて段階的に改良が施されていることが読み取れる。

線路終端部分の中でも駅構内の中心部という目立つ位置にあり、駅構造と相まってファン心理をそそられるのだが、駅設備の土台を兼ねた制走提や、車止め周辺を囲う、他の部分とは異なるトラ模様の安全柵のくたびれ具合がまた良い雰囲気を醸し出している。

宇部駅は中心市街を外れた閑静な立地にあり、1M電車であるクモハ123形が発車時刻を待つ、ゆったりとした時間の流れが印象的だった。