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#005 奈良線 棚倉駅 安全側線

今回は103系電車の残り少ない活躍の場となった奈良線から。

奈良線は現在、京都駅ーJR藤森 (ふじのもり) 駅間と、途中の宇治駅ー新田 (しんでん) 駅間を除いて単線となっており、一部例外となる駅が存在するものの、その大半の所属駅で “安全側線” が設けられている。そんな数多くの (!?) 安全側線から、沿線での列車撮影の折に記録した1枚をご紹介したい。

奈良線内の安全側線は (ざっと確認した限りではあるが…) 乗越分岐器 + 緊急防護装置 + 積みバラストの第1種車止めという組み合わせで統一されているようで、安全側線としては路線規模に見あった相応のものという印象を受ける。

先のJRグループダイヤ改正では阪和線向け205系の転配も実施され、普通電車に関しては103系一色であった奈良線の車両も少しずつ移り変わりが予想されるのだが、線路設備についても2023年春までの計画で今後新たに延長14km分の複線化が予定されており、当然のように当該区間の (車止めを含む) 安全側線は撤去されることとなるだろう。

“去りゆく老兵” 103系の記録へお出掛けの折には、車止めや転轍器標識など、行き交う列車を見守ってきたシーナリーの脇役にも目を向けてみてはいかがだろうか。

#002 紀勢本線 切目駅 構内側線

2箇所目の車止めは、和歌山県は切目 (きりめ) 駅の側線から。

2015年は特急「くろしお」として最後の活躍を続ける381系を記録するべく何度か紀伊半島に足を運んだのだが、スポットへ向かう道すがら、下車した切目駅の構内で見かけたのが写真の車止め。

小柄ながらもコンクリートによる制走堤を備えた第4種車止めで、同駅構内で唯一であるこの側線は、下り本線に和歌山駅方へ向かうかたちで接続されている。制走堤正面上部寄りにはネジ穴と思しきものが水平方向に2つ並んでおり、元々備えていたであろう緩衝材 (おそらくは木製) は、ずっと以前に朽ちてしまったのだろうか。
写真には写り込んでいないが画面右手にはコンクリート枕木が積まれており、現地を眺めた限りでは、この側線は従来より保線用資材の積み降ろし設備として使われているもののようだ。

画面奥のやや左手に写っている建物が駅本屋で、駅周辺の住宅との距離感から、当地のこぢんまりとした雰囲気を感じ取っていただけるだろうか。

切目駅は国鉄時代末期に無人化ののちに簡易委託駅となっているものの、古くからの駅舎が現役で使用されている。
駅前広場の植生、駅本屋の待合スペースや出札窓口・駅務室といった駅務設備、別棟として隣接する便所など、”国鉄幹線ローカル駅” の佇まいが残る良い駅だ。

#001 山陽本線 宇部駅 0番のりば

第一回目の投稿で紹介するのがこちらの車止め。

0番のりばは宇部駅を終着/始発駅とする宇部線列車専用のホームとなっており、この車止めは駅本屋側に設置されているもの。
車止めとしてはごくスタンダードな、曲げたレール部材をやぐら状に組み上げた第2種車止めで、特にここではレールに取り付けた別の車止め装置 (名称を失念した…) を併用しているのがわかる。

やぐら部分の背後、元は制走提であったと思しきコンクリート造の部分にはトラ模様の褪せた木材が打ち付けてあり、やぐら部分が後年設置されたものであるかのようにも感じさせる。
併設されている車止標識が最も経年が浅くみえる点からも、時間の経過に応じて段階的に改良が施されていることが読み取れる。

線路終端部分の中でも駅構内の中心部という目立つ位置にあり、駅構造と相まってファン心理をそそられるのだが、駅設備の土台を兼ねた制走提や、車止め周辺を囲う、他の部分とは異なるトラ模様の安全柵のくたびれ具合がまた良い雰囲気を醸し出している。

宇部駅は中心市街を外れた閑静な立地にあり、1M電車であるクモハ123形が発車時刻を待つ、ゆったりとした時間の流れが印象的だった。