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#014 山陽線 宇部駅 荷役2番線

山口県より14ヶ所目の車止めをご紹介。

今回ご紹介するのはJR貨物 山陽線の宇部駅。同駅はJR山陽本線 宇部駅に併設された貨物駅で、コンテナホーム1面+荷役線2線を備えた、荷役設備に限っていえばややこぢんまりとした駅だ。

車止めは荷役2線でそれぞれ採用されている様式が異なっており、写真の荷役2番は “逆U字” (+置きまくら木) の第3種、もう一方は制走堤を備えた第4種が用いられている。
この2線間での様式の違いについては、構内の配線や建物などのレイアウトからその理由が読み取れるように思われるので、荷役1番線と併せて別の機会にご紹介したいと思う。

この車止めの設置はコンテナホームであるだけに、乗り入れる車両は推進運転されるコンテナ貨車の編成のみで、また配線の面でも同荷役線は本線からスイッチバックのような形式で入線する配置をとっている。そのため中〜高速で車両が衝撃するようなケースはそもそも想定する必要のないこともあり、元来第3種が用いられているのだろう。

宇部 (貨物) 駅は標準的な 12 ft コンテナの他に産業廃棄物の荷扱いも行っており、近隣の工場などからの発送需要が旺盛なのだろうか、小規模な構内でそれらしきコンテナが一層目立って見えた。

現在の荷役設備はコンテナホームのみとなっているが、荷役線に併設された貨物上屋と思しき建造物や、線路が剥がされたかのような跡地、草むした不自然な空き地などから、車扱い貨物を扱っていた過去などを窺わせる形跡も見つけることができ、趣味的探究心をくすぐられるものがある。

車止めなどごく限られた一点への興味をきっかけとして、普段は素通りしてしまうような設備や情景、施設が持つ役割やその過去に目を向けてみるのも趣味を深掘りする良いきっかけになる、そう再認識させてくれる駅だ。

#001 山陽本線 宇部駅 0番のりば

第一回目の投稿で紹介するのがこちらの車止め。

0番のりばは宇部駅を終着/始発駅とする宇部線列車専用のホームとなっており、この車止めは駅本屋側に設置されているもの。
車止めとしてはごくスタンダードな、曲げたレール部材をやぐら状に組み上げた第2種車止めで、特にここではレールに取り付けた別の車止め装置 (名称を失念した…) を併用しているのがわかる。

やぐら部分の背後、元は制走提であったと思しきコンクリート造の部分にはトラ模様の褪せた木材が打ち付けてあり、やぐら部分が後年設置されたものであるかのようにも感じさせる。
併設されている車止標識が最も経年が浅くみえる点からも、時間の経過に応じて段階的に改良が施されていることが読み取れる。

線路終端部分の中でも駅構内の中心部という目立つ位置にあり、駅構造と相まってファン心理をそそられるのだが、駅設備の土台を兼ねた制走提や、車止め周辺を囲う、他の部分とは異なるトラ模様の安全柵のくたびれ具合がまた良い雰囲気を醸し出している。

宇部駅は中心市街を外れた閑静な立地にあり、1M電車であるクモハ123形が発車時刻を待つ、ゆったりとした時間の流れが印象的だった。